187a サムティホールディングスの株主優待を知る「2つの特徴」
まず最初にサムティに投資すると貰える株主優待の特徴として、下記の2点を確認しておきましょう。
サムティの株主優待「2つの特徴」
ホテル宿泊優待券で運営ホテルに泊まれる
ホテル優待宿泊券は1枚あたり7,000円相当
その1:ホテル宿泊優待券で運営ホテルに泊まれる
サムティに投資するとサムティ運営のホテルに泊まれるホテル宿泊券が貰えます。
サムティは不動産の開発や売買、賃貸、ホテル運営を主力としており、サムティが運営するホテルに泊まれるホテル宿泊券が株主優待として貰えます。
ちなみに不動産ポートフォリオに占めるホテル賃貸事業の割合は約6%と、規模はそれほど大きくはありません。
保有株数とホテル宿泊券の枚数は下記の通りです。
200株以上 1枚
300株以上 2枚
600株以上 3枚
1,000株以上 4枚
2,000株以上 6枚
5,000株以上 8枚
10,000株以上 10枚
保有株数が多くなるほど貰えるホテル宿泊券の枚数が多くなり、最も優待利回りが高くなるのは300株を保有する株主であることが分かります。
次のパートでは、株主優待の価値と優待利回りをチェックしましょう。
その2:ホテル優待宿泊券の価値は1枚あたり7,000円相当
サムティの株主優待で貰えるホテル宿泊券には、1枚あたり7,000円相当の価値があります。
運営ホテルにはエスペリアインやネストホテル、アゴーラなどがあり、一般的なホテル予約サイトから予約すると1泊あたり6,000〜8,000円ほどの価格で泊まれるからです。
優待券1枚で利用できるホテル
・センターホテル東京
・エスペリアイン日本橋箱崎
・エスペリアイン大阪本町
・エスペリアホテル博多
・エスペリアホテル福岡中洲
・エスペリアホテル長崎
・エスペリアホテル京都
・ネストホテル広島八丁堀
・ネストホテル広島駅前
・ホテルサンシャイン宇都宮
・イビススタイルズ名古屋
・オーベルジュ天橋立
優待券2枚で利用できるホテル
・メルキュール京都ステーション
・アロフト大阪堂島
・オークウッドホテル京都御池
・アゴーラ 京都烏丸
・アゴーラ 京都四条
・メルキュール飛騨高山
・ホテル ザ・ネスタ&スパ(ネスタリゾート神戸)
・メルキュール東京羽田エアポート
・ホテル金沢
優待券3枚で利用できるホテル
・天橋立ホテル
優待利回りが最も高い300株保有だと株主優待券を2枚もらえるため、現金に換算するとおよそ14,000円相当となります。
2024年9月時点のサムティの株価2,600円から計算した利回りは1.79%ほどですね。
187a サムティホールディングスに投資する「2つの理由」
次に、サムティに投資する3つの理由を紹介します。
サムティに投資した「2つの理由」
総合利回り5.4%と還元率が高い
株価は右肩上がりで上昇を続けている
本記事の内容は、僕が投資判断を下した理由(記録)であり、投資助言や投資推奨などの意図は一切ありません。そのため、投資判断はご自身で下すようにしてください。
その1:総合利回り5.4%と還元率が高い
サムティに投資する1つ目の理由は、総合利回り5.4%と還元率が高いからです。
こちらは300株を株価2,600円で保有した場合を元に計算しており、下記の通りです。
配当利回り 3.61%
DPS 94円 / 株価2,600円 = 3.61%
優待利回り 1.79%
優待 14,000円 / (株価 2,600円 * 300株) * 100 =1.79%
ホテル宿泊券は1枚あたりを7,000円相当の価値と仮定して上記の優待利回りを計算しています。
個人的には総合利回り5%以上を高利回り銘柄と定義しているので、サムティの総合利回りはその基準を十分にクリアしています。
サムティは累進配当とはしていないものの、過去の配当金の推移を見る限りは連続的な増配、もしくは減配する可能性が低そうなので、その点も安心できそうです。
過去の配当金推移
2015年:29.5円
2016年:29.5円
2017年:42円
2018年:68円
2019年:79円
2020年:82円
2021年:90円
2022年:90円
2023年:90円
2024年:94円
その2:株価は右肩上がりで上昇を続けている
サムティに投資する2つ目の理由は、株価は右肩上がりで上昇を続けているからです。
サムティはリーマンショック後、2009年に付けた株価96円を安値に上昇トレンドを続けており、2024年4月には上場来高値の2893円を付けました。株価はなんと30倍に上昇しています。
過去の株価上昇が未来の投資リターンを保証してくれるわけではありません。
ですが総合利回り5.4%が狙えて、業績は引き続き順調に成長、株価は綺麗な上昇トレンドを描いていることを考えると、今後もサムティの株価上昇に期待できそうです。
187a サムティホールディングスに投資する前に知りたい「2つの懸念」
サムティの株主優待が魅力的とは言え、貰える株主優待の価値以上に株価が下落してしまっては全く意味がありません。
そこで本パートでは、サムティに投資する前に知っておきたいつの懸念を確認しておきましょう。
サムティに投資する2つの懸念
配当性向が40%と既に高い
優待利回りはそれほど高くない
その1:配当性向が40%と既に高い
サムティの配当性向はすでに40%と高いため、利益が伸びないことには大幅な増配に期待できません
その理由は、近年の業績と1株配当金の推移を見る限りだと配当性向40%を株主還元の目安にしている可能性が高いからです。
過去5年間のEPS(1株利益)とDPS(1株配当金)、配当性向の推移は下記の通りです。
EPS DPS 配当性向
2020年 262円 82円 31%
2021年 215円 90円 41%
2022年 233円 90円 38%
2023年 221円 90円 40%
2024年 244円 94円 36%
配当性向に多少のばらつきはあるものの、おおよそ40%前後で推移しています。
2021年に配当性向が41%に達し、EPS成長に鈍化が見られてからは増配ペースも鈍化していることから配当性向40%を意識している可能性が高そうですね。
参考までに、サムティの公式サイトを確認すると配当方針には下記のような記述があります。
サムティの配当方針「当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つであると認識しております。配当につきましては、業績を反映させるとともに、今後の事業計画、財政状態等を総合的に勘案した上で実施することを基本方針としております。今後の事業展開、業容拡大、財務体質強化等を踏まえ、将来に備えた内部留保の充実を図ることで、実績に裏付けられた利益還元を行ってまいります。」
https://www.samty-holdings.com/ja/ir/stock/dividend.html
要約すると「企業成長や株主還元、財務強化などを総合的に考えてお金の使い道を考えていく」といった内容が書かれているものの、明確な株主還元の方針は分かりません。
参考までに、同業他社の銘柄の配当性向と総還元性向を確認しておくと下記の通りです。
配当性向 総還元性向
三井不動産 35% 52%
三菱地所 30% 59%
東京建物 33% 33%
東急不動産 32% 32%
野村不動産 35% 46%
ヒューリック 40% 40%
サンフロ不 23% 23%
サムティ 36% 36%
トーセイ 30% 30%
事業規模や不動産ポートフォリオ、企業方針によっても違ってくるものの、配当性向は40%を目処、総還元性向は50〜60%を目処としている企業が多いように感じます。
ここまでの話をまとめると、サムティの株主還元の実績や同業他社の還元方針を見る限り、サムティは今後も配当性向40%を目安に株主還元を行う可能性が高そうです。
配当性向は既に40%水準まで引き上げられているため、今後は稼ぐ利益水準が増えないことには大幅な増配を期待できないと考えておく方が無難です。
その2:優待利回りはそれほど高くない
株主優待でホテル宿泊券が貰える他の優待銘柄と比べるとサムティの優待利回りはそれほど高くありません。
サムティの利回りを改めて確認しておくと、下記の通りです。
配当利回り 3.61%
DPS 94円 / 株価2,600円 = 3.61%
優待利回り 1.79%
優待 14,000円 / (株価 2,600円 * 300株) * 100 =1.79%
このようにサムティは総合利回りで見ると5.4%と魅力的な水準ではあるものの、株主優待としての還元率は1.79%ほどと低めです。
ホテル宿泊券が貰える高い優待利回りの銘柄としては、例えば3479 TKPなどが挙げられます。
TKPだと約15万円の投資で1万円相当の自社施設優待券が貰えるため、優待利回りは6.6%にもなります。
10,000/150,000*100 = 6.66667
このように魅力的なホテル宿泊券が貰えて、高い優待利回りが狙える銘柄は他にもたくさんあるので比較した上で投資先を決めるようにしましょう。
ホテル宿泊券が貰える優待株「2選」
次に、株主優待としてホテル宿泊券(割引券)が貰える魅力的な優待株を2つ確認しておきましょう。
ホテル宿泊券が貰える優待株「2選」
・5261 リソル
・3479 TKP
その1:5261 リソルホールディングス
株主優待でホテル宿泊券が貰える1つ目の銘柄は、リソルホールディングスです。
リソルホールディングスの株式を100株保有すると、RESOLファミリー商品券 20,000円相当が貰えます。
2024年9月時点の株価は4600円前後で推移しているため、優待利回りは4.4%にもなります。
リソルは配当金による株主還元も行っており、配当利回りは1.95%です。これらを合計した総合利回りは6.35%と、かなりの高利回り銘柄であることが分かります。
リソルホールディングスが運営するホテルは日本各地にあることから利用先を自由に選べることも株主優待の魅力の1つですよね。
その2:3479 TKP
株主優待でホテル宿泊券が貰える2つ目の銘柄は、3479 TKP(ティーケーピー)です。
TKPは先ほども簡単に紹介した通りで、わずか15万円ほどの投資を行えば、TKPの自社施設優待券 1万円相当が貰えます。
TKPは配当金の配布を行なっていないものの、株主優待だけでも利回り6.6%を狙える高利回り銘柄です。
そしてTKPの自社施設優待券は宿泊以外にも、自社運営のレストランなどでも優待券が使えます。
・宿泊施設
ISHINOYA熱海、石のや伊豆長岡、レクトーレ熱海桃山、レクトーレ熱海小嵐、レクトーレ熱海桃山、ベイサイドホテル アジュール竹芝、TKPサンライフホテル
・レストラン
鉄板焼 天燈 RanTan、おまかせ会席 漣~さざなみ~(アジュール竹芝)、日本料理 伊勢(名古屋錦)、ル・ブション(福岡天神)
TKPのホテル宿泊券の懸念は、宿泊エリアが限定されることです。運営ホテルは静岡に4店舗、福岡に1店舗、東京に1店舗の合計6店舗です。
TKPの主力事業が貸し会議室ということもあり、株主優待で宿泊できる地域が限定される点には注意しましょう。
187a サムティホールディングスの株主優待「4つの注意点」
最後にサムティの株主優待における4つの注意点を確認しておきましょう。
サムティの株主優待「4つの注意点」
専用サイトもしくは専用アプリから予約
優待宿泊券の利用は1年以内
宿泊できる部屋とプランは決まっている
ホテル宿泊券の対象ホテルが定期的に変更される
その1:専用サイトもしくは専用アプリから予約
サムティの株主優待を使ってホテルに宿泊する際は、専用サイトもしくは専用アプリから予約しなければなりません。
インターネットの旅行サイトから宿泊予約を行なっても株主優待で貰ったホテル宿泊券は使えないので注意してください。
その2:優待宿泊券の利用期間は1年以内
サムティのホテル宿泊券は利用期間が1年間と決められているので注意してください。
サムティの優待権利月は12月なので、株主優待券は3月下旬ごろに郵送で送られてきます。
株主優待券を受け取った翌月4月から翌年3月31日までが利用期間となります。
その3:宿泊できる部屋とプランは決まっている
株主優待券で泊まれる対象のホテルが決まっていることに加えて、泊まる部屋やプランも決まっています。
大半のホテルでは「素泊まりプラン」となるものの、天橋立ホテルとホテル ザ・パヴォーネに限っては朝夕2食付のプランとなります。
その4:ホテル宿泊券の対象ホテルが定期的に変更される
ホテル宿泊優待券を使って泊まれるホテルは定期的に変更されるので、予約時に都度確認するようにしましょう。
参考までに2024年9月26日には「株主優待制度のご利用対象ホテルの変更に関するお知らせ」として、下記のリリースが出されました。
「当社は、株主優待制度のご利用対象ホテルとしております「エスペリアイン大阪本町」につきまして、当社の子会社であるサムティホテルマネジメント株式会社による本ホテルの運営が2024年12月23日(月)をもって終了することに伴い、本ホテルを当社の株主優待ご利用の対象より除外させていただくこととなりました。」
この変更をもってサムティの株主優待で泊まれるホテルが従来の計22施設から計21施設に減りました。
このように宿泊対象ホテルの変更がときどき行われるので、お目当てのホテルがある方や予約をする前は公式サイトで確認しておきましょう。