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【株主優待】3289 東急不動産に投資する5つの理由「WELコインが貰える優待株」

疑問をもつネコ
東急不動産に投資すると6種類もの株主優待が貰えるみたいだけど、ポートフォリオに組み入れた方が良い銘柄なのかな?どういった特徴の株主優待が貰えるのかや銘柄の特徴を知りたいな。

3289 東急不動産の株主優待を知る「3つの特徴」

まず最初に、東急不動産に投資すると貰える株主優待の特徴について、下記の3点について解説します。

東急不動産の株主優待「3つの特徴」
6種類の株主優待券が貰える
500株・3年保有で株主優待ポイントが貰える
株主優待ポイントは5年毎に1.5倍に割増進呈

その1:6種類の株主優待券が貰える

東急不動産に投資すると、最大で6種類の株主優待券が貰えます。

6種類の株主優待券は下記の通りです。

・株主優待ポイント
事業地周辺地域の産直品やグループ施設利用券と交換できる

・ホテルハーヴェストの宿泊優待券
国内15ヵ所のホテルハーヴェストに優待料金で泊まれる

・宿泊優待共通券
ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resortsに優待料金で泊まれる

・スポーツ優待共通券
全12施設のゴルフ場を優待料金で利用できる

・会員制シェアオフィス利用優待券
シェアワークプレイスの月額プランの入会事務手数料を優待料金で入会できる

・JR東日本コラボ株主優待
JR東日本グループホテルを優待料金で泊まれる

中でも500株以上を3年間保有すると貰える株主優待ポイントが魅力的で、こちらは下記のパートで深掘りして紹介します。

その2:500株・3年保有で株主優待ポイントが貰える

東急不動産の株式500株を3年継続保有した株主に限っては株主優待ポイントが貰えます。

こちらは2023年6月に新設された株主優待で、株主優待ポイントとしてWELコインが進呈されます。

株主向けウェブサイトには約500商品が掲載されており、具体的には東急不動産のグループ事業地周辺地域の「特産品」や全国各地に展開する「グループ施設の利用券」などにWELコインを交換することができます。

東急不動産の株主優待ポイントの魅力は、保有株数が増えるほど100株あたりに貰える株主優待ポイントが増えることです。

保有株数と100株あたりに付与される株主優待ポイントは下記の通りです。

     通常ポイント(年間) 100株あたりの付与ポイント
500株   2,000P       400P
1,000株  5,000P       500P       
5,000株  26,000P       520P
10,000株 54,000P       540P
15,000株 84,000P       560P
20,000株 120,000P      600P

仮に東急不動産の株式を950円で保有した場合、それぞれの保有株数ごとに計算した100株あたりの優待利回りは下記の通りです。

保有株数と優待利回り
500株:400/95,000*100‎ = 0.42105
1,000株:500/95,000*100‎ = 0.52632
5,000株:520/95,000*100‎ = 0.54737
10,000株:540/95,000*100‎ = 0.56842
15,000株:560/95,000*100‎ = 0.58947
20,000株:600/95,000*100‎ = 0.63158

株主優待ポイントが貰える最低株数である500株だと優待利回りは0.42%ですが、保有株数が増えるにつれて優待利回りは上昇し、20,000株を超えると最大で0.63%まで上昇することが分かります。

2025年3月期の予想DPS32円を元に計算した配当利回りは3.36%なので、優待利回りと加えた総合利回りは3.78~3.99%と高利回りであることが分かります。

2025年3月期の予想配当利回り
32/950*100‎ = 3.36842

その3:株主優待ポイントは5年毎に1.5倍に割増進呈

東急不動産の株式を5年以上継続保有すると5年毎に長期保有感謝ポイントが付与されて1.5倍の株主優待ポイントが貰えます。

株主優待ポイントの通常ポイントと長期保有感謝ポイントは下記の通りです。

     通常ポイント(年間)  長期保有感謝ポイント
500株   2,000P       +1,000P
1,000株  5,000P       +2,500P       
5,000株  26,000P       +13,000P
10,000株 54,000P       +27,000P
15,000株 84,000P       +42,000P
20,000株 120,000P       +60,000P

例えば、500株を継続保有すると下記の通りで株主優待ポイントが付与されます。

保有期間と付与される株主優待ポイント
1年目:0P
2年目:0P
3年目:2,000P
4年目:2,000P
5年目:2,000P+1,000P
6年目:2,000P
7年目:2,000P
8年目:2,000P
9年目:2,000P
10年目:2,000P+1,000P
11年目:2,000P

このように東急不動産の株式500株を長期保有した場合、5年目と10年目に長期保有感謝ポイント1,000Pが付与されます。

ちなみに同じ不動産セクターで株主優待の長期保有特典がある銘柄として三井不動産が挙げられます。

東急不動産よりも配当利回りは低くなるものの、株主優待や総還元性向の高さが魅力的な銘柄なので比較しておくと良いでしょう。

三井不動産の株主優待
・保有株100株毎に三井ショッピングパークポイント1,000Pが貰える
・長期保有特典として保有開始3年目に2倍、5年目に3倍の株主優待ポイントが貰える

3289 東急不動産に投資した「5つの理由」

次に、僕が東急不動産に投資した5つの理由を紹介します。

東急不動産に投資した「5つの理由」
配当利回りが3.2%と高く、総合利回りは3.6%超え
配当性向が32%と低く、増配余地が大きい
賃貸等不動産の含み益を加味した株価は割安水準
自社株買いの開始に期待できる
株価は長期下落トレンドをブレイクアウト

本記事の内容は、僕が投資判断を下した理由(記録)であり、投資助言や投資推奨などの意図は一切ありません。そのため、投資判断はご自身で下すようにしてください。

その1:配当利回りが3.2%と高く、総合利回りは3.6%を超える

東急不動産に投資した1つ目の理由は、配当利回りが3.2%と高く、総合利回りは3.6%を超えるからです。

2024年9月時点の株価1,000円を元に利回りを計算すると下記の通りです。

配当利回り:32/1000*100‎ = 3.2
優待利回り:(2000/5)/1000‎ = 0.4
総合利回り:3.2%+0.4%‎ = 0.036

こちらの優待利回りは500株を5年継続保有した時に貰える株主優待ポイントのみで計算しています。

不動産株として見た場合、総合利回り3.6%は十分な水準ですが長期保有することで更に利回りが高くなると考えており、その理由は次のパートで解説します。

その2:配当性向が32%と低く、増配余地が大きい

東急不動産に投資した2つ目の理由は、配当性向が32%と低く、増配余地が大きいと思うからです。

銘柄スカウターで東急不動産の配当金推移を確認すると、下記の通りです。

東急不動産のDPS推移(1株配当)
2015年:10円
2016年:12円
2017年:13円
2018年:14.5円
2019年:15.5円
2020円:16円
2021年:16円
2022年:17円
2023年:23.5円
2024年:31円
2025年:32円

2015〜2022年にかけては1円前後の増配を行なってきましたが、2023年からは増配ペースが急加速しています。

次に、東急不動産の配当性向の推移を確認すると、下記の通りです。

EPS(1株配当) / EPS(1株利益) = 配当性向(%)

2015年:10/35*100‎ = 28.57143
2016年:12/40*100‎ = 30
2017年:13/44*100‎ = 29.54545
2018年:14.5/49*100‎ = 29.59184
2019年:15.5/52*100‎ = 29.80769
2020年:16/54*100‎ = 29.62963
2021年:16/30*100‎ = 53.33333
2022年:17/49*100‎ = 34.69388
2023年:23.5/67*100‎ = 35.074627
2024年:31/96*100‎ = 32.29167
2025年:32/98*100‎ = 32.65306

2024年9月現在、東急不動産は株主還元方針として「配当性向30%以上」と「安定的な配当の維持継続」の2つを掲げています。

東急不動産の配当性向は還元方針の30%以上に達しているという見方もできます。

ですが直近では、同業他社で株主還元を拡充する動きが相次いでいること、そして東急不動産の配当性向は他社よりも低いことから、配当性向が引き上げに動く可能性が十分にあると思います。

        配当性向  総還元性向
三井不動産   35%    52%
三菱地所    30%    59%
野村不動産   35%    46%
ヒューリック  40%    40%
東京建物    33%    33%
東急不動産   32%    32%

その3:賃貸等不動産の含み益を加味した株価は割安水準

東急不動産に投資した3つ目の理由は、賃貸等不動産の含み益を加味した株価は割安水準だからです。

東急不動産の株価1,000円から算出したPBRは0.95倍と低く、解散価値とされる1倍を下回っています。

2024年のBPS(1株純資産)は1,052円、株価1,000円を元にPBRを計算すると下記の通りです。

株価 / PBS = PBR
1,000/1,052‎ = 0.95057

このように東急不動産のPBRは1倍を下回っていることが分かりますね。

そして東急不動産は約7,500億円もの賃貸等不動産を保有しており、含み益を考慮した2024年3月期末の時価評価は約1兆1,500億円にもなります。

ここで注目すべきは、株式のPBRは賃貸等不動産(賃貸用の不動産)も含めて計算するものの、それは簿価(=7,500億円)で行っており、含み益や含み損を加えた時価(=1兆1,500億円)では計算されていないことです。

つまり、東急不動産が保有する賃貸等不動産を時価評価でカウントすると東急不動産のPBRは更に低くなるというわけです。

ですが賃貸等不動産の含み益がPBRに反映するのは、保有企業が賃貸等不動産を売却した時です。従って、東急不動産が賃貸等不動産を売却することなく、今後も保有し続ける方針なのであれば、賃貸等不動産の含み益を評価しない状況が続くはずです。

その4:自社株買いの開始に期待できる

東急不動産に投資した4つ目の理由は、自社株買いの開始に期待できるからです。

先ほども解説した通りで、東急不動産のPBRは2024年9月時点で1倍を下回っていることから、PBRを引き上げる自社努力として自社株買いを行う可能性があります。

なぜなら資本コストや株価を意識した経営ができていないと判断する指標の1つに、PBRが1倍を下回っているかが挙げられるからです。

PBRと自社株買いについて補足すると、PBR(株価純資産倍率)は「株価 ÷ BPS(1株あたり純資産)」で計算し、PBRの計算式で使うBPSは「当期純利益 ÷ 発行済み株式数」で計算します。

企業が自社株買いを行なうことで発行済み株式数は減少するので、その結果BPSとPBRの値は上昇します。

2024年9月時点で東急不動産は自社株買いによる株主還元を過去にほとんど行なっていません。ですが2023年春に東証が「PBR1倍割れ改善要請」を出したこともあって、PBR1倍割れの対策が上場企業では着々と進んでいます。

参考までに、業界トップの三井不動産の株主還元を確認すると下記の通りです。

三井不動産の株主還元(2024-2026)
・総還元性向 毎期50%以上
・配当性向 毎期35%程度
・累進配当
・機動的かつ継続的な自己株式の取得

東急不動産と三井不動産では事業規模は大きく異なるものの、両社はビジネスモデルが似ていること、日本企業は横なら並び意識が強いことから東急不動産もPBR1倍割れを意識した自社株買いを始める可能性が高いと考えられます。

その4:株価は長期下落トレンドをブレイクアウト

東急不動産に投資した4つ目の理由は、株価は長期下落トレンドをブレイクアウトし、トレンド転換した可能性が高いからです。

1969年以降の超長期チャート(年足)を株探で確認すると、株価は60年近く続いた上値抵抗線をブレイクアウトして上昇していることが分かります。

チャートのブレイクアウトは他の不動産銘柄でも起きており、例えば三井不動産や三菱地所、東京建物、住友不動産、ヒューリックなどのチャートでも似たような値動きが確認されます。

よく言う話で、株価には先見性があります。日本ではインフレが進んでおり、これは土地や建物の価格上昇に繋がるので不動産株にとってプラスです。

不動産株の一連の上昇は日本株全体の上昇に加えて、インフレの恩恵を受ける業界として先回り買いされた結果、不動産株の上昇に繋がっているのでは…と、個人的には考えています。

3289 東急不動産に投資する前に知りたい「3つの懸念」

東急不動産の株主優待が魅力的とは言え、貰える株主優待の価値以上に株価が下落してしまっては全く意味がありません。

そこで本パートでは、東急不動産に投資する前に知っておきたいつの懸念を確認しておきましょう。

東急不動産に投資する「3つの懸念」
自社株買い未実施で、総還元性向が低い
政策金利の引き上げは業績と株価に逆風
従業員1人あたり売上・利益が低く、非効率な経営かも

その1:自社株買い未実施で、総還元性向が低い

2024年時点で東急不動産は自社株買いを行なっていないため、他社の不動産株と比較すると総還元性向はかなり低いことが分かります。

総還元性向とは「稼いだ利益に対して、配当金と自社株買いによる株主還元を何%の割合で行なっているか」を表す投資指標のことで、大手不動産株の総還元性向は下記の通りです。

三井不動産  52%
三菱治所   59%
ヒューリック 40%
東京建物   33%
東急不動産  32%
住友不動産  16%

東急不動産は2014年に自社株買いを行って以降、自社株買いを行なっていません。

総還元性向が低いと今後の株主還元拡充に期待できる一方で、株主還元に力を入れていない企業、もしくは自社株買いを行わない方針の企業という見方もできます。

そこで東急不動産の公式サイトに書かれている株主還元方針を確認すると、下記の通りです。

【東急不動産の株主還元方針】
長期ビジョン「GROUP VISION 2030」において当面の株主還元方針を「配当性向30%以上」「安定的な配当の維持継続」

配当性向に関しては書かれているものの、自社株買いや総還元性向に関する内容は何も書かれていません。

先にも解説したように、PBR1倍割れの解消に向けた東証の要請もあり、同業他社の不動産株には株主還元の姿勢に変化が見られます。

とはいえ、東急不動産も同じように動くとは言い切れません。そのため東急不動産は今後も自社株買いを行わず、総還元性向は他社よりも低い状態が続くことは懸念の1つとして考えておきましょう。

その2:政策金利の引き上げは業績と株価に逆風

日本では金融緩和が終了して政策金利を引き上げ方向に動いており、この金利上昇はコストアップに繋がることから東急不動産の業績には逆風です。

また、金利上昇によるコストアップで業績が悪化するという見通しが増えることで株価も買われにくくなるため、東急不動産の株価は日経225やTOPIXなどの株価指数と比べてアンダーパフォームする可能性が高いでしょう。

東急不動産の株主優待は魅力的ですが、株価が思うように上昇しなかったり、配当金や株主優待の価値以上に株価が下落してしまっては投資する意味がありません。

例えば、日本の政策金利が引き上げられるなら日米金利差が縮小することで為替が円高方向に動く可能性が高いです。であれば、不動産銘柄よりも円高メリット銘柄である株主優待株に投資した方がより良いリターンが得られる可能性が高いでしょう。

このように日本の政策金利の引き上げは東急不動産の業績と株価にとってマイナスであり、利上げで円高が続くようなら別のセクターへ投資した方が高いリターンを得られるかもしれません。

その3:従業員1人あたり売上・利益が低く、非効率な経営かも

東急不動産の従業員1人あたりの売上と利益を確認すると、同業他社と比べて非効率な経営を行っている可能性が高いです。

従業員1人あたりの売上高と利益を銘柄スカウターで確認すると下記の通りです。

       1人あたり売上 1人あたり利益
三井不動産  9300万円   1046万円
三菱治所   1億3600万円 2100万円
住友不動産  8000万円   1490万円
東京建物   8000万円   1490万円
ヒューリック 3億2894万円 1億128万円
東急不動産  5210万円   521万円

企業にとって社員へ支払う給与はコストとなるため、従業員1人あたりの売上や利益が多いほど、企業の収益性は高くなります。

当然、企業の収益性が高くなるほど株価は上昇しやすく、配当金の増配や自社株枠の拡大、株主優待の拡充などが行われる可能性も高くなります。

つまり、東急不動産の従業員1人あたり売上や利益は同業他社の不動産銘柄よりも低いことから、それほど効率的に利益を稼ぎ出せていないことが分かります。

3289 東急不動産の株主優待「2つの注意点」

最後に、東急不動産に投資すると貰える株主優待の注意点について、下記の2つを確認しておきましょう。

東急不動産の株主優待「2つの注意点」
宿泊時期によっては旅行サイト予約の方が安いことも
ホテル宿泊券目的の投資なら他の銘柄も候補に

その1:宿泊時期によっては旅行サイト予約の方が安いことも

東急不動産の株主優待で貰えるホテル宿泊券で予約するよりも時期によっては旅行予約サイトから予約したほうが安く泊まれることがあります。

その理由は、基本的に株主優待券の割引で宿泊するとお得になるものの、旅行予約サイトのキャンペーン内容によっては価格が逆転する可能性があるからです。

宿泊予約をする際は一休や楽天トラベル、Yahoo!トラベルなどの旅行サイトの価格をチェックした上で予約手続きを行うようにしましょう。

その2:ホテル宿泊券目的の投資なら他の銘柄も候補に

ホテル宿泊券を目的とした投資であれば、他の銘柄も候補に加えてみても良いかもしれません。

これは完全に個人的な考えですが、株主優待券を使う時に「お金を出さないと買えないサービスや商品」よりも「株主優待券だけで買えるサービスや商品」の方が桁違いに満足度が高いです。

ホテル宿泊券で例を挙げると、サムティやTKP、ワキタなどです。

具体的な保有株数と貰えるホテル宿泊券の内容は下記の通りです。

187A サムティ:200株保有で1泊無料
3479 TKP:100株保有で10,000円相当のホテル宿泊券
8125 ワキタ:100株保有でホテル宿泊券10,000円相当

もちろん、保有株数や利用料金によっても異なるものの、「⚪︎%割引」よりも「1泊無料券」や「⚪︎万円相当の宿泊代が無料」といった株主優待の方が個人的には魅力的に感じます。

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