TKPの株主優待「2つの特徴」
まず最初にTKPの株主優待の特徴を下記の2つよりチェックしておきましょう。
TKPの株主優待「2つの特徴」
自社施設利用券10,000円相当
保有株式数が増えるほど優待券も増える
その1:自社施設利用券10,000円相当
TKPの株式100株を保有すると、TKPが運営する施設利用券10,000円相当が貰えます。
施設利用券とは、ホテル宿泊券とレストランで、具体的な対象施設は下記の通りです。
■宿泊ホテル:ISHINOYA熱海、石のや伊豆長岡、レクトーレ熱海桃山、レクトーレ熱海小嵐、レクトーレ熱海桃山、ベイサイドホテル アジュール竹芝、TKPサンライフホテル
■レストラン:鉄板焼 天燈 RanTan、おまかせ会席 漣~さざなみ~(アジュール竹芝)、日本料理 伊勢(名古屋錦)、ル・ブション(福岡天神)
エリアとしては静岡県が多く、神奈川県と福岡県のホテルにも宿泊できます。
ちなみに、TKPの株主優待制度は2021年12月に新設されました。
その2:保有株式数が増えるほど優待券も増える
TKPの株主優待は保有株数が多くなるほど貰える株主優待の金額も多くなり、下記の通りです。
100株以上:10,000円相当
500株以上:30,000円相当
1,000株以上:50,000円相当
2,000株以上:100,000円相当
4,000株以上:200,000株以上
最も株主優待の還元利回りが高くなるのは100株を保有したケースです。
そのため500株、1,000株、2,000株…と保有株数が増えるにつれて株主優待の金額は増えるものの、株式100株あたりで貰える株主優待の金額が少なくなるので注意しましょう。
TKPに投資する「3つの理由」
次に、TKPに投資を検討する理由を検証していきたいと思います。
TKPの銘柄分析をした結果、下記の3つの強みが見つかりました。
TKPに投資する「3つの理由」
・優待利回り6.6%と利回りが高い
・業績は右肩上がりで成長中
・ホテル宿泊業はインバウンド急増の恩恵あり
本記事の内容は、僕が投資を検討した理由(記録)であり、投資助言や投資推奨などの意図は一切ありません。そのため、投資判断はご自身で下すようにしてください。
その1:優待利回り6.6%と利回りが高い
TKPに投資を検討する1つ目の理由は、優待利回り6.6%と利回りが高いからです。
先ほども紹介した通りで、TKPの株式を100株保有すると株主優待として自社施設利用券10,000円相当が貰えます。
優待利回りは株価が何円の時に投資するのかでも変わってくるものの、仮に株価1,500円で投資すると優待利回りは6.66%にもなります。
【TKPの優待利回り】
10,000/150,000×100 = 6.66667
当たり前ですが株主優待には税金がかからないので、この利回り6.6%を非課税で受けれます。
株主優待銘柄に投資することで新NISAの非課税枠を消費することなく非課税の恩恵を受けられるのは大きなメリットですよね。
その2:業績は右肩上がりで成長中
TKPに投資を検討する2つ目の理由は、業績は右肩上がりで成長中だからです。
銘柄スカウターでTKPの業績を確認すると、コロナ禍で大幅な減収減益となったものの、2025年2月期は売上と利益共に過去最高益を更新する見通しです。
TKPの決算説明会資料には「コロナ禍を経て対面イベントのメリット、有効性の見直しが急速に進んでいる」というコメントもあり、業績成長の期待が高まります。
その3:ホテル宿泊業はインバウンド急増の恩恵あり
TKPの事業ポートフォリオの大半が貸し会議室になるものの、売上比率20%ほどを占めるホテル宿泊ビジネスではインバウンド急増の恩恵が期待されます。
ホテル運営を行うエリアは主に静岡県で、他に神奈川県と福岡県にも展開しています。
ちなみにTKPの株主優待券で宿泊できるホテルはこれらの運営ホテルになるので、不動産ポートフォリオの確認と株主優待で泊まれるホテルの下見をまとめて行っておいても良いかもしれません。
TKPに投資する前に知りたい「3つの懸念」
次にTKPに投資する前に知っておきたい3つの懸念を確認しましょう。
TKPに投資する「3つの懸念」
・定期的な増資でEPSの引き下げ要因に
・上場来、無配を継続
・信用買残が多く、株価も下落トレンド
その1:定期的な増資でEPSの引き下げ要因に
TKPは2017年に上場して以降、増資を3回も行っており、発行済み株式数で約30%弱の希薄が起きています。
これは利益が30%成長したとしても発行済株式数が30%増加したことで、EPS成長率は0%となるため、業績成長を打ち消している状態です。
ここでの注意点は、TKPは公募増資や新株予約権による株式発行数以上に業績成長しているものの、投資家心理としては「増資や新株予約権によって発行済株式数が増加してEPSが希薄化、その度に株価が大きく下落するだろうな」と考えられ、投資されにくくなることです。
すると業績が好調でも株価は下落しやすくなるため、投資して貰える株主優待の価値以上に損するリスクもあるので注意ですね。
その2:上場来、無配を継続
TKPは上場来、無配です。
無配の企業に注意する理由は、配当金を出していない企業の株価は 買われにくく、株価も下落しやすい傾向にあるからです。
例えば、株主優待投資だと100株保有が最も優待利回りが高くなることが多いため、100株を購入すれば更なる買い注文が入りにくくなります。
ですが配当金による株主還元を行っている企業だと、保有株数が増えるほど配当金も分配されるので100株だけの保有に留まる人が減ります。
TKPは株主還元として配当金を出していないことから複数単元を保有しようとする投資家が減り、株価が上昇にくくなっている可能性が考えられます。
TKPの株主優待で貰える施設利用券は魅力できですし、株主優待は非課税なのでメリットも多いです。ですが主語を「株価」にした場合、配当金を出していないことで買いが入りにくくなっていることは理解しておきましょう。
その3:信用買残が多く、株価も下落トレンド
TKPは2017年に上場して以降、1度は大きな上昇を見せたものの、2019年から株価は下落し続けています。
なぜならTKPには信用買残が多く積み上がっており、既に構築された買いポジションが株価上昇を妨げているからです。
信用買残は個人投資家の買いポジションであり、その残高は株価の下落とともに増え続けています。これは非常に危険なサインです。
つまり、保有している投資家のポジションの多くが含み損になっていることから、株価が少しでも上昇しようものなら利益確定もしくは損切りしようと考えており、売りタイミングを見計らっている状況です。
このような多くの売り圧力が潜んでいることが明確な状況では株価を上昇させるような買い圧力となる大口投資家や多くの個人投資家が買うことはありません。
TKPの株価が上昇トレンドに転換するには、まずは信用買残が減少することがポイントとなりそうです。僕もTKPにエントリーするのは信用買残が減ったことを確認した後になると思います。
ホテル宿泊券が貰える優待株「3選」
TKPの株主優待は魅力的ですが、ここではホテル宿泊券の株主優待が貰える他の銘柄も確認しておきましょう。
ホテル宿泊券が貰える優待株「3選」
・187a サムティホールディングス
・8923 トーセイ
・5261 リソルホールディングス
その1:187a サムティホールディングス
ホテル宿泊券が貰える1つ目の株主優待銘柄は、187a サムティホールディングスです。
サムティの株式を200株保有すると、1泊できるホテル宿泊券を1枚貰えます。
株主優待の還元額は保有株数とともに多くなり、下記の通りです。
200株:1枚
300株:2枚
600株:3枚
1000株:4枚
2000株:6枚
5000株:8枚
10,000株:10枚
最も優待利回りが高くなるのは300株を保有して、ホテル宿泊券を2枚貰うケースです。
サムティの株主優待の魅力は宿泊できるホテルが日本全国にあり、柔軟な旅行先に対応できることです。
サムティの株主優待で泊まれるホテルは下記の通りです。
【1枚で利用】
・センターホテル東京
・エスペリアイン日本橋箱崎
・エスペリアホテル博多
・エスペリアホテル福岡中洲
・エスペリアホテル長崎
・エスペリアホテル京都
・ネストホテル広島八丁堀
・ネストホテル広島駅前
・ホテルサンシャイン宇都宮
・イビススタイルズ名古屋
・オーベルジュ天橋立
【2枚で利用】
・メルキュール京都ステーション
・アロフト大阪堂島
・オークウッドホテル京都御池
・アゴーラ 京都烏丸
・アゴーラ 京都四条
・メルキュール飛騨高山
・ホテル ザ・ネスタ&スパ(ネスタリゾート神戸)
・メルキュール東京羽田エアポート
・ホテル金沢
【3枚で利用】
・天橋立ホテル
株主優待の権利確定月は12月です。
その2:8923 トーセイ
ホテル宿泊券が貰える2つ目の株主優待銘柄は、8923 トーセイです。
トーセイの株式を100株保有すると保有・運営するホテルで使えるホテル宿泊券3,000円相当が貰えます。
トーセイの株主優待の魅力は、株式を1年以上長期保有することでQUOカードが追加で貰えることです。
【長期保有者向けの株主優待】
1年以上:1000円相当
2年以上:2000円相当
5年以上:3000円相当
例えば、トーセイの株主優待で貰えるホテル宿泊券を使って泊まり、旅行先ではQUOカードで買い物するといった株主優待旅行なども楽しめそうです。
株主優待の権利確定月は12月です。
その3:5261 リソルホールディングス
ホテル宿泊券が貰える3つ目の株主優待銘柄は、5261 リソルホールディングスです。
リソルの株式を100株保有すると、自社が運営する施設で使えるRESOLファミリー商品券20,000円相当が貰えます。
保有株式数が増えるにつれて株主優待の還元額が増えるものの、最も高い利回りが狙えるのは100株保有時です。
【RESOLファミリー商品券】
・100株以上:20,000円相当(10枚)
・300株以上:30,000円相当(15枚)
・500株以上:40,000円相当(20枚)
TKPの株主優待「2つの注意点」
最後にTKPの株主優待における2つの注意点を確認しておきましょう。
TKPの株主優待「2つの注意点」
優待券を利用できるホテルが少ない
宿泊予約は公式サイトまたは電話
その1:優待券を利用できるホテルが少ない
TKPの株主優待の1つ目の注意点は、優待券を利用できるホテルが少ないことです。
これは先にも紹介した通りですが、TKPが運営するホテルは合計6施設あります。そのうち4か所が静岡県、あと2か所は神奈川県と福岡県です。
【TKPが運営するホテル】
ISHINOYA熱海、石のや伊豆長岡、レクトーレ熱海桃山、レクトーレ熱海小嵐、レクトーレ熱海桃山、ベイサイドホテル アジュール竹芝、TKPサンライフホテル
このようにTKPが運営するホテルの大半が静岡県に集中しているため、株主優待を元に旅行先を決めるとなるとかなりの偏りが出てしまいます。
株主優待だけで旅行先のホテルをカバーするのはかなりのハードルの高さがあるものの、株主優待で旅費の節約を考えている人は日本各地にホテルを構える銘柄に投資した方が旅の満足度が高くなるでしょう。
その2:宿泊予約は公式サイトまたは電話
TKPの株主優待の2つ目の注意点は、宿泊予約は公式サイトまたは電話しなければならないことです。
ホテル予約時の注意事項がTKPの公式サイトに書かれていたので、予約前には必ず下記の内容を確認しておきましょう。
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施設のご予約:公式サイト、または施設へ直接お電話でご予約ください。他の旅行予約サイト、旅行代理店等でのご予約の場合は、株主優待はご利用できませんのでご注意ください。
※ 他の旅行予約サイト、旅行代理店等でのご予約の場合は、株主優待はご利用できませんのでご注意ください。
■ 公式サイトにてご予約の場合
・予約申し込みページ「お支払い」方法は「現地精算」をお選びください。
・予約申し込みページ最下段の「その他ご要望欄」に「株主優待券利用」とご記載ください。
■ お電話でご予約の場合
・ご優待券ご利用の旨をお申し出ください。
■ 「鉄板焼 天燈 Ran Tan」について
・ご予約はお電話でのみ承っております。(グルメサイト経由のご予約はご優待の対象となりません)
・お食事のみのご利用も可能です。ご宿泊とセットでご利用いただく場合は、お手数をおかけしますが、ご宿泊・お食事それぞれご予約をお取りいただきますようお願いいたします。
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