PR TIMESの株主優待「2つの特徴」
まず最初にPR TIMESに投資するとどのような株主優待が貰えるのかを下記の2つの特徴から紹介します。
PR TIMESの株主優待「2つの特徴」
PR TIMES利用企業の商品券・サービス利用券が貰える
3年継続保有すると最大10,000円相当に拡充される
その1:PR TIMES利用企業の商品券・サービス利用券が貰える
PR TIMESの株主優待では、PR TIMESを利用する企業の商品券やサービス利用券が貰えます。
2024年に配布された株主優待では、計87社の商品やサービスから選ぶことができました。
具体的には、吉野家の食事券やかつやを運営するアークランドサービスの食事券、京王百貨店のギフトカードなどが挙げられます。
PR TIMESを利用する企業数は2024年7月時点で10万社を超えており、株主優待で選べる商品券やサービス利用券の選択肢が増える期待もできそうです。
PR TIMESの権利落ちは2月です。
その2:3年継続保有すると最大10,000円相当に拡充される
その2:3年継続保有すると最大10,000円相当に拡充される
PR TIMESの株主優待は、株式を継続保有した期間によって選べる数が異なります。
株式を6カ月以上継続保有した株主は1つ、3年以上継続保有した株主は2つの商品券やサービス利用券が貰えます。
株式の保有期間で株主優待が異なる
6カ月以上:商品券やサービス利用券を1つ(=5,000円相当)
3年以上 :商品券やサービス利用券を2つ(=10,000円相当)
下記で2024年の株主優待から商品券やサービス利用券の内容をチェックしておきましょう。
吉野家プリカ 5,000円相当
かつやを運営するアークランドサービスの食事券 4,950円相当(550円×9枚)
東京タワーメインデッキ(150mの展望台)チケット 1,200円×4枚
全国のリーガロイヤルホテルグループ&アソシエイトホテルズ(国内12ホテル)でご利用いただける「リーガギフトチェック」 5,000円分×1枚
オークラ ニッコー ホテルズ 共通ご利用券 5,000円分
オンデーズオンラインショップでご利用いただける5,000円クーポン(メガネ、サングラス)
京王百貨店でご利用いただける「京王ギフトカード」5,000円分
このようにPR TIMESの株主優待は、食事券やサービス券、ホテル宿泊券、ギフトカードなど幅広い選択肢があるので、株主優待の内容に飽きてしまう心配はなさそうです。
PR TIMESに投資した「3つの理由」
次に、僕がPR TIMESへ投資した理由を3つ紹介します。
PR TIMESに投資した「3つの理由」
3年継続保有すると優待利回り5%超の高還元
業績成長率が高く、PER18倍は過去5年の下限に近い
自己資本比率が80%あり、財務健全性が高い
本記事の内容は、僕が投資判断を下した理由(記録)であり、投資助言や投資推奨などの意図は一切ありません。そのため、投資判断はご自身で下すようにしてください。
その1:3年継続保有すると優待利回り5%超の高還元
PR TIMESに投資した1つ目の理由は、3年継続保有すると優待利回り5%超の高還元だからです。
PRTIMESの株主優待では、保有期間6ヶ月以上の株主に5,000円相当、3年以上の株主には10,000円相当の商品券やサービス利用券が貰えます。
2024年9月時点の株価1,800円から優待利回りを計算すると、6ヶ月保有(5,000円相当)で2.7%、3年保有(10,000円相当)で5.4%となります。
このように100株以上を長期保有した前提になるものの、優待利回り5%超えはかなり高還元と言えるでしょう。
その2:業績成長率が高く、PER18倍は過去5年の下限に近い
PR TIMESに投資した2つ目の理由は、業績成長率が高く、PER18倍は過去5年の下限に近いからです。
PRTIMESの業績は順調に成長しているにも関わらず、株価はそれほど上昇していません。
そのためPERも下がり続けており、過去5年間で見るとレンジの下限付近で推移していることが分かります。
2024/09/05時点のPERは18倍と、PRTIMESのようなグロース株としては割安水準のPERと言えるでしょう。
その3:自己資本比率が80%あり、財務健全性が高い
PR TIMESに投資した3つ目の理由は、自己資本比率が80%あり、財務の健全性が高いからです。
一般的に自己資本比率は50%を越えると優良企業と言われますが、PRTIMESの自己資本比率は80%と更に高水準です。
自己資本比率が高いと複数のメリットがあり、具体的には下記の通りです。
- 借入金を使わずに事業に投資できる
- 経済危機が起きても倒産リスクが低い
- 配当金や自社株買いなどの株主還元の拡充に期待できる
このように自己資本比率が高いことで経営における多くのメリットがあります。現在 PRTIMESは無配なので、今後は配当金による株主還元の開始にも期待したいです。
PR TIMESに投資する前に知りたい「4つの懸念」
続いて、PRTIMESに投資する前に知っておきたい懸念を4つ紹介します。
PR TIMESに投資する「4つの懸念」
東証プライム市場の上場維持基準をクリアできない
信用買残が多く、需給が悪い
成長率が鈍化すると株価は更に売られる
従業員数が急速に増えて利益押し下げ要因に
その1:東証プライム市場の上場維持基準をクリアできない
PRTIMESは東証プライム市場の上場維持基準を維持できず、上場市場がスタンダード市場またはグロース市場に変更される可能性が考えられます。
東証プライム市場に上場するために必要である「流通株式時価総額 100億円」をクリアできていません。
もしPRTIMESが東証プライム市場に残れないと株価が売られてしまう(もしくは、株価が買われにくくなる)可能性が考えられます。
では、東証プライム市場に残る方法は無いのかと言うと、下記の2つが挙げられます。
1. 流動株数を増やす
2. 株価を上昇させる
「1.流動株数を増やす」は、大株主である株式会社ベクトルが保有する約746万株(保有比率55%)の一部を売却することです。
「2.株価を上昇させる」は、配当金や株主優待、自社株買いなどの株主還元によって株価を上昇させる方法です。
PRTIMESの決算説明会資料を確認すると、上記の①が行われる可能性が高そうに感じます。
その場合、どれくらいの規模の株式が売却されるかにもよりますが大きな売り圧力によって株価が下落する可能性が高いと言えるでしょう。
その2:信用買残が多く、需給が悪い
信用取引でPRTIMESを購入している投資家が多く、既に積み上がった信用買残で需給が悪化していることが原因となり、株価が上昇しにくい状況が続くことが考えられます。
2024/09/05時点の信用買残は約8万株あり、1日の平均出来高は平均2万株前後です。信用買残が減少するか、1日の出来高が増加しないことには上値が重い状況が続きそうです。
信用買残の推移を確認する際は、松井証券の日本株アプリがおすすめです。
信用取引の買残と売残の推移をラインチャートで表示できるので、現在の信用取引残高やこれまでの推移をひと目で確認することができます。
また、信用買残は週1回、第2営業日に前週時点の情報が発表されます。
ですが松井証券に限っては、松井証券店内の信用取引情報を「毎日」更新してくれるので、信用取引の情報をタイムリーに確認できます。
松井証券で口座開設さえすれば、全ての人が無料で使えるので良ければお試しください。信用残をスマホアプリでささっと確認できるので非常に使い勝手の良いアプリだと思います。
その3:成長率が鈍化すると株価は更に売られる
PRTIMESのPERは18倍前後です。このPERはPRTIMESの過去5年間のPERやグロース株のPERの水準と比較すると割安です。
ですがPRTIMESの成長率が鈍化し、市場から成長企業としての評価が得られなくなると、PERは18倍でも割高と判断されて株価が売られる可能性が高いので注意してください。
例えば、売上成長率は2019年前後がピークで前年対比+30%で成長していました。ですが2024年では前年比+20%と成長率が鈍化しています。
このまま前年比+20%成長が続くようならグロース株として評価される可能性が高いですが、この成長率が+10%台前半にまで低下するとグロース株とは言えません。
2025年2月期の予想は、前年比で「売上+19.8%、営利+8.8%、経利+10%」と過去10年間で最も低い成長率です。このようにPRTIMESの業績が鈍化する兆しが見えつつあるので、今後の決算に要注目です。
その4:従業員数が急速に増えて利益押し下げ要因に
PRTIMESの従業員数を確認すると2021年頃から急激に増えており、増えた人件費が利益を押し下げる要因になるかもしれません。
銘柄スカウターで従業員数と1人当たり業績を確認すると、下記の通りです。
決算期 | 従業員数| 1人り業績(売上高・営業利益・経常利益・当期利益)
2016/02 | 46人 | 23,478 | 3,913 | 3,826 | 2,478
2017/02 | 45人 | 30,111 | 5,556 | 5,267 | 3,422
2018/02 | 53人 | 32,396 | 7,075 | 6,981 | 4,547
2019/02 | 51人 | 44,824 | 10,157 | 9,686 | 6,137
2020/02 | 47人 | 61,511 | 11,915 | 11.915 | 6,830
2021/02 | 65人 | 57.923 | 20,015 | 19,985 | 16,046
2022/02 | 79人 | 61,443 | 23,215 | 23,203 | 16,215
2023/02 | 105人 | 54,343 | 11.333 | 11.314 | 7,400
2024/02 | 196人 | 34,878 | 8,908 | 8,760 | 5,923
特に2023年→2024年にかけて約2倍に急増していることが分かります。
次に従業員の1人あたり業績を確認すると、2023年から2024年にかけて1人あたり業績が急激に悪化しており、増えた従業員と比較して売上も利益も伸びていないことが分かります。
このように従業員が増えたことで企業の人件費負担が増えている一方で、売上と利益はそれほど増えていないため、利益を押し下げていることが分かります。
2025年の決算で成長の再加速が確認できるかがポイントになりそうですね。
PR TIMESの株主優待「2つの注意点」
本記事の最後に、PRTIMESの株主優待で知っておきたい2つの注意点を紹介します。
PR TIMESの株主優待「2つの注意点」
選ぶ商品やサービスで株主優待の価値が変わる
3年継続保有しても株主優待が続いているとは限らない
その1:選ぶ商品やサービスで株主優待の価値が変わる
PRTIMESの株主優待は、6ヶ月以上の保有で5,000円相当、3年以上の保有で10,000円相当と紹介してきましたが、選ぶ商品やサービスによって価値が異なるので注意してください。
具体的な商品名やサービス名はあえて言いませんが、例えば「雑貨 5,000円相当」と紹介されていても、Amazonで購入すると5,000円以下で購入できるようなケースが挙げられます。
他にも、5,000円相当のホテル宿泊券が貰えるホテルがある一方で、別のホテルだと4,000円相当と少し低めに金額が設定されていることもあります。
また、PRTIMESの株主優待へ参画する企業は毎年同じではないことにも注意が必要です。
その2:3年継続保有しても株主優待が続いているとは限らない
PRTIMESの株式を3年継続保有すると株主優待が10,000円相当に拡充されますが、3年後も株主優待を継続しているかは分かりません。
その理由は、日本の上場企業で株主優待を中止し、配当金で株主還元を行う企業が増えているからです。
例えば、オリックスやみずほリース、日本取引所などは株主優待を無くし、配当金のみの株主還元に切り替えた企業です。
株主優待は100株を保有する株主はお得ですが、複数単元保有する株主へも平等に還元することができません。そこで平等に株主還元が行える配当金へ変更し、大口投資家へ株主還元を強化する企業が増えてきているという流れが日本にはあります。