イーガーディアンの株主優待「2つの特徴」
まず最初にイーガーディアンに投資すると貰える株主優待の特徴として、下記の2つを確認しておきましょう。
その1:QUOカード 5,000円相当
イーガーディアンに投資すると株主優待として、QUOカード5,000円相当が貰えます。
2024年10月時点の株価1,700円を元に優待利回りを計算すると2.94%とかなり高い還元率であることがわかります。
株主優待:5000円相当
株価:1700円前後
優待利回り:5,000/170,000*100 = 2.94118
QUOカードはコンビニや書店、ファミレスのデニーズなどで使えるので、株主優待としての使い勝手は抜群です。
その2:1年以上継続保有で8,000円相当に拡充
イーガーディアンの株式を1年以上継続保有すると株主優待でもらえるQUOカードが8000円相当に拡充されます。
同じく株価1700円から優待利回りを計算すると、4/7%と利回りは更に高くなります。
株主優待:QUOカード8000円相当
株価:1700円前後
優待利回り:8000/170000*100 = 4.70588
イーガーディアンの公式サイトで継続保有と認定される基準を確認すると、下記の記述がありました。
「1年以上継続して保有する株主様とは、毎年9月末日時点を基準として、同一株主番号で3月末日及び前年9月末日の株主名簿に、3回以上連続で記載または記録された株主様といたします。」
イーガーディアンの優待権利落ちは9月なので、株主優待の拡充を受けるには下記のスケジュールで株式を保有する必要があります。
2025年9月:記載1回目
2026年3月:記載2回目
2026年9月:記載3回目
例えば、権利落ちで株式を保有していても1度売却してしまうと株主番号が変更されてしまい、継続保有に認定されないので注意してください。
イーガーディアンに投資する「5つの理由」
次に、僕がイーガーディアンに投資を検討する5つの理由を解説します。
イーガーディアンに投資する「5つの理由」
優待利回りが高く、総合利回りは最大6%超え
配当性向が20%台と低く、連続増配に期待できる
自己資本比率80%と財務健全性が高い
業績悪化が底打ちし、再成長の兆し
自社株買いの継続性に期待できる
本記事の内容は、僕が投資を検討する理由(記録)であり、投資助言や投資推奨などの意図は一切ありません。そのため、投資判断はご自身で下すようにしてください。
その1:優待利回りが高く、総合利回りは最大6%超え
イーガーディアンに投資したい1つ目の理由は、優待利回りが高く、総合利回りは最大6%を超えるからです。
先にも紹介した通りで、イーガーディアンは1年未満の保有だとQUOカード5,000円相当が株主優待で貰えますが、継続保有期間が1年を超えると8,000円相当にグレードアップします。
2029年9月期のDPS(1株配当金)は31円から計算した配当利回りは1.8%となります。
優待利回り:2.9〜4.7%
5000/170000*100 = 2.94118
8000/170000*100 = 4.70588
配当利回り:1.8%
31/1700*100 = 1.82353
4.7+1.8 = 6.5
こちらの優待利回りと配当利回りを合算した総合利回りは最大で6.5%と、かなり魅力的な利回りが狙えます。
しかも、株主還元の大半が株主優待で非課税であることと、QUOカードは現金と同等の扱いであることから優待のコストパフォーマンスも抜群に高いです。
その2:配当性向が20%台と低く、連続増配に期待できる
イーガーディアンに投資したい2つ目の理由は、配当性向が20%台と低く、今後も連続増配に期待できるからです。
イーガーディアンの配当金は2012年こそ無配でしたが2013年に1株あたり1.67円の配当を出して以降は連続増配を続けており、2024年にはDPS 31円と18倍以上に配当金が増えました。
2013/09 1.67 円
2014/09 2.00 円
2015/09 2.33 円
2016/09 4.00 円
2017/09 6.00 円
2018/09 8.00 円
2019/09 9.00 円
2020/09 10.00 円
2021/09 14.00 円
2022/09 24.00 円
2023/09 26.00 円
2024/09(予) 31.00 円
この連続増配を続けてきた過去に加えて、2024年5月には株主還元方針を変更したことで今後の増配期待が更に高まりました。
イーガーディアンの配当方針
【変更前】利益配分は、長期的な企業価値拡大のため事業投資に優先配分するとともに、株主への利益還元と内部留保充実のバランスを総合的に判断し、持続的増配にも努めていく方針であります。
【変更後】利益配分は、持続的な成長と企業価値向上のための投資や、様々なリスクに備えるための財務健全性とのバランス、経営成績の見通しなどを考慮したうえで、業績に応じた利益配分を行うことを基本方針とし、連結配当性向30%程度を目安に配当することといたします。
これまでは配当金を分配する明確な基準を定めていなかったものの、今後は「配当性向30%」を目安に配当金を出すことを発表したというニュースです。
イーガーディアンはまだまだ成長途中の企業なので、今後の更なる成長と株主還元の拡大に期待したいです。
その3:自己資本比率80%と財務健全性が高い
イーガーディアンに投資したい3つ目の理由は、自己資本比率が80%と高く、財務が健全だからです。
その自己資本の内訳を見ても現金預金の保有割合が高く、57億円もの現金預金を保有しています。
そして有利子負債ゼロの無借金経営を行っているため、金利上昇局面でも借入負担が増加するような心配もありません。
また、イーガーディアンはインターネットのセキュリティサービスを提供する企業なので、大規模な設備投資なども必要ありません。
このようにイーガーディアンは財務健全性が高く、今後もこの健全な状態が続く可能性が高いので安心して長期保有できそうです。
その4:業績悪化が底打ちし、再成長の兆し
イーガーディアンに投資したい4つ目の理由は、業績悪化が底打ちし、再成長の兆しが見られるからです。
マネックス証券の銘柄スカウターでイーガーディアンの業績推移を確認すると、2022年9月期の業績をピークに成長が鈍化していることが分かります。
この成長鈍化の原因は、既存案件終了(新型コロナワクチン関連)による売上減を新規案件でカバーできなかったためです。
ですがイーガーディアンの直近の決算を確認すると「新規案件の受注が拡大傾向、成長トレンドへの転換」と書かれており、再び成長路線に回帰する見通しであることが分かります。
そもそも日本はセキュリティ意識が低いこと、そして国内のサイバー攻撃は年々増加傾向にあること、にもかかわらずセキュリティ人材が大幅に不足していることからイーガーディアンのセキュリティサービスの需要はまだまだ伸びそうに感じます。
その5:自社株買いの継続性に期待できる
イーガーディアンに投資したい5つ目の理由は、自社株買いの継続性に期待できるからです。
銘柄スカウターでイーガーディアンが過去に行った自社株買いを確認すると、下記の通りです。
取得期間 自己株式取得額
2012年08月06日~2012年09月07日 74
2013年11月14日~2013年11月19日 80
2018年08月02日~2018年08月08日 77
2019年05月10日~2019年05月22日 188
2021年08月03日~2021年08月13日 296
2023年05月10日~2023年06月30日 90
成長フェーズにある企業ということもあり、自己株式の取得額こそ小さいものの、自社株買いをコンスタントに行っている点は評価できます。
そして、先に解説した通りでイーガーディアンは自己資本比率が81%と高くて財務が健全であること、2024年5月に株主還元の拡充に動いていることから今後の自社株買いにも期待できそうです。
イーガーディアンに投資する前に知りたい「2つの懸念」
イーガーディアンの株主優待が魅力的とは言え、貰える株主優待の価値以上に株価が下落してしまっては全く意味がありません。
そこで本パートでは、イーガーディアンに投資する前に知っておきたい2つの懸念を確認しておきましょう。
イーガーディアンに投資する2つの懸念
個人投資家の注目度が高く、信用買残も多い
月足 長期チャートでは下落トレンドを形成中
その1:個人投資家の注目度が高く、信用買残も多い
イーガーディアンは株主優待を拡充して以降、個人投資家の注目度が高まっており、信用買残が急増しているので注意してください。
信用買残は売り圧力として機能するので、信用買残が多い銘柄の株価は上昇しにくい特性があり、詳しくは下記の通りです。
【信用買残が多い銘柄はなぜ上昇しにくいか】
・制度信用の期日は6ヶ月と決まっており、決済完了までの期間が短い
・信用取引は金利がかかるため、保有期間が長くなるほど手数料が高くなる
・信用取引を使う投資家はレバレッジをかける傾向にあり、リスクが高い状況では長期保有できない
そして信用買残の推移を見ると、イーガーディアンは既に多くの個人投資家が保有していることが丸わかりなので、このような銘柄が大口投資家から買われることはほとんどありません。
話をまとめると、イーガーディアンは業績や財務、株主還元において素晴らしい銘柄ではあるものの、信用買残のポジションが多く、需給がかなり悪い銘柄と言えるでしょう。
株価が上昇するかどうかは需給次第なので、信用買残が減少するタイミングがあればエントリーを検討したいと思います。
その2:月足 長期チャートでは下落トレンドを形成中
イーガーディアンが株主還元の拡充を発表した翌日に大きく上昇しましたが長期の月足チャートを見ると下落トレンドが続いているので注意してください。
トレーディングビューでイーガーディアンの長期チャートを確認すると、2021年11月から下落トレンドが続いており、2024年10月時点ではまだ上値を押さえ付けられている状況が続きます。
株主優待と増配余地にどれだけの魅力があっても株価が下落してそれ以上に損してしまっては全く意味がありません。そのため上昇トレンドに転換したことを確認できた後にエントリーを検討したいと考えています。
QUOカードが貰える優待株「3選」
イーガーディアンの株主優待は魅力的ですが、ここではQUOカードの株主優待が貰える他の銘柄も確認しておきましょう。
QUOカードが貰える優待株「3選」
・6316 丸山製作所
・7164 全国保証
・8566 リコーリース
その1:6316 丸山製作所
株主優待でQUOカードが貰える1つ目の銘柄は、6316 丸山製作所です。
丸山製作所は100株以上を継続保有した年数に合わせて、下記のQUOカードが配布されます。
丸山製作所の株主優待
・1年以上:1,000円相当
・3年以上:2,000円相当
・5年以上:3,000円相当
・7年以上:5,000円相当
このように7年以上継続保有することで最大5,000円相当のQUOカードがもらえ、株価2,500円で投資すると優待利回りは最大2%にもなります。
配当利回りも3.5%前後と高く、総合利回りは5.5%にもなります。
配当金や株主優待を目的とする個人投資家であればチェックしておきたい銘柄の1つと言えるでしょう。
その2:7164 全国保証
株主優待でQUOカードが貰える2つ目の銘柄は、7164 全国保証です。
全国保証は株式の保有期間が1年未満と1年以上で還元額が異なり、下記の通りです。
全国保証の株主優待
・1年未満:3,000円相当
・1年以上:5,000円相当
1年以上保有した株主は、QUOカードとカタログギフトのいずれかから選べます。いずれも5,000円相当の品物です。
その3:8566 リコーリース
株主優待でQUOカードが貰える3つ目の銘柄は、8566 リコーリースです。
100株以上を継続保有期間とQUOカードの還元額は下記の通りです。
リコーリースの株主優待
・1年未満:2,000円相当
・1年以上:4,000円相当
・3年以上:5,000円相当
リコーリースは連続増配銘柄としても有名で2024年3月期で29期連続で増配を続けている企業です。
配当金や株主優待を目的としたポートフォリオを作りたい人は、丸山製作所や全国保証とともにリコーリースも欠かせない銘柄と言えるでしょう。
イーガーディアンの株主優待「2つの注意点」
最後にイーガーディアンに投資すると貰える株主優待の注意点を確認しておきましょう。
イーガーディアンの株主優待「2つの注意点」
・議決権行使で貰えたQUOカード500円相当は廃止に
・株主優待の継続性が疑わしい
その1:議決権行使で貰えたQUOカード500円相当は廃止に
イーガーディアンは株主優待の発表を機に、議決権行使で貰えたQUOカードの株主優待は廃止となりました。
こちらに関して、イーガーディアンの公式サイトを確認すると下記の記述がありました。
「当社では株主総会において議決権を有効に行使いただいた株主様に、株主様名義1件につき、QUOカード500円分をお贈りしておりますが、当制度の新設に伴い、取りやめさせていただきます。」
議決権行使時に貰える500円のQUOカード以上に豪華なQUOカードが貰えるので、これは文句なしですよね。
その2:株主優待の継続性が疑わしい
イーガーディアンの株主優待は新設されたばかりではあるものの、この株主優待の継続性は疑わしいと僕は考えています。
そもそも株主優待に自社商品や自社サービスでは無く、QUOカードを配布している企業は株主優待の継続性が相対的に低い傾向にあります。
そして2024年5月に超豪華な株主優待の新設を発表したことで今後は個人の株主数の増加が予想され、株主優待の維持コストが増える可能性が高いでしょう。
これらの理由からイーガーディアンの株主優待は廃止リスクが高いと予想しており、2024年12月に発表される有価証券報告書の内容を見た上で判断したいと考えています。