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【株主優待】8923 トーセイに投資する3つの理由「ホテル宿泊券とQUOカードが貰える優待株」

疑問をもつネコ
トーセイに投資するとホテル宿泊券とクオカードの株主優待が貰えるみたいだけど、ポートフォリオに組み入れた方が良い銘柄なのかな?

トーセイの株主優待を知る「2つの特徴」

トーセイに投資すると株主優待としてホテル宿泊券がもらえ、1年以上継続保有した株主に限っては保有期間に合わせてクオカードが貰えます。

トーセイの株主優待「2つの特徴」
ホテル宿泊券 3,000円相当
クオカード1,000-3,000円相当

株主優待の権利落ちは11月です。

その1:ホテル宿泊券 3,000円相当

トーセイに投資すると株主優待として、自社ホテルの宿泊券 3,000円相当が貰えます。

こちらはトーセイが保有・運営するホテル「ココネ」で利用でき、対象施設は下記の通りです。

トーセイの株主優待が使えるホテル
トーセイホテル ココネ神田
トーセイホテル ココネ上野
トーセイホテル ココネ浅草蔵前
トーセイホテル ココネ上野御徒町
トーセイホテル ココネ浅草
トーセイホテル ココネ鎌倉
トーセイホテル ココネ築地銀座プレミア

トーセイのホテルはほとんどが東京(東京6店舗、神奈川1店舗)にあり、1泊あたり2人で1〜2万円あたりで宿泊できます。

その2:クオカード1,000-3,000円相当

トーセイの株式100株を1年以上継続保有した株主は、クオカード1,000〜3,000円相当が追加で貰えます。

クオカードの金額は継続保有した年数で異なり、下記の通りです。

トーセイの株主優待「クオカード」
1-2年:1,000円相当
2-5年:2,000円相当
5年〜 :3,000円相当

例えば、トーセイの株式100株以上を1年間保有すると「ホテル宿泊券 3,000円+クオカード 1,000円」の合計4,000円相当が貰えます。

そして保有期間が5年を超えると合計6,000円相当と、更に還元額が多くなります。(ホテル宿泊券 3,000円相当+クオカード 3,000円相当)

あとで紹介しますがトーセイでは配当利回り3%前後を狙える銘柄なので、仮に株価2,200円で投資すると総合利回りで6%が狙えます。

トーセイに投資する「3つの理由」

次にトーセイに投資する3つの理由を考えてみたいと思います。

トーセイに投資する「3つの理由」
総合利回りが5%と高く、長期保有で6%に
配当性向が30%と低く、増配余地が大きい
ポートフォリオの安定事業で黒字経営を継続

本記事の内容は、僕が投資判断を下す理由(記録)であり、投資助言や投資推奨などの意図は一切ありません。そのため、投資判断はご自身で下すようにしてください。

その1:総合利回りが5%と高く、長期保有で6%に

トーセイに投資する1つ目の理由は、総合利回りが5%と高く、長期保有で6%を狙えるからです。

トーセイは配当金による株主還元も積極的に行っており、株価2,200円で投資すると配当利回り3.3%が狙えます。

トーセイの配当利回り(2024年11月期)
株価:2,200円
1株配当金:73%
→配当利回り3.3%
(計算式 73/2,200*100 = 3.31818)

次に、トーセイに株価2,200円で投資した時の優待利回りを計算すると下記の通りです。

継続保有1年目
ホテル宿泊券 3,000円+クオカード1,000円
4,000/220,000×100 = 1.81818
→総合利回り 5.1%

継続保有2−5年目
ホテル宿泊券 3,000円+クオカード2,000円
5,000/220,000×100 = 2.27273
→総合利回り 5.5%

継続保有5年以上
ホテル宿泊券 3,000円+クオカード3,000円
6,000/220,000×100 = 2.72727
→総合利回り 6.0%

このように継続保有期間が1年間でも総合利回りで5%以上が狙え、保有期間が長くなるほど利回りが高くなり、継続保有期間が5年を超えると総合利回りは6%となります。

その2:配当性向が30%と低く、増配余地が大きい

トーセイに投資する2つ目の理由は、配当性向が30%と低く、今後の増配余地が大きいからです。

トーセイの2032年に向けた中期経営計画には、2026年11月期に向けて配当性向を35%まで引き上げる方針が書かれており、現在と同じ利益水準もしくは利益が成長するなら更なる増配が期待できるでしょう。

参考までに、不動産の同業他社銘柄と配当性向を比較するとトーセイの配当性向は低く、あと+10%前後の増配余地があるようにも感じます。

そこで2024年9月現在の不動産銘柄の配当性向を確認すると、下記の通り
配当性向 総還元性向
トーセイ 30% 30%
三井不動産 35% 52%
三菱治所 30% 60%
東京建物 33% 33%
野村不動産 35% 46%
ヒューリック 40% 40%
東急不動産 32% 32%
サンフロンティア不動産 23% 23%
同じ不動産銘柄とは言え、その中でも不動産の開発や再生がメインなのか、もしくは管理や賃貸、ホテル運営などがメインなのかによっても異なる点には注意が必要です。

ここまでの内容をまとめると、トーセイは2026年11月期に向けて配当性向を35%を目指す方針であること、そして同業他社の配当性向と比較しても低い水準であることから今後も配当性向の引き上げに期待できそうです。

その3:ポートフォリオの安定事業で黒字経営を継続

トーセイに投資する3つ目の理由は、ポートフォリオの安定事業によって黒字経営を継続できているからです。

トーセイの事業ポートフォリオは、不動産再生と不動産管理をメインとしつつ、安定事業として不動産管理やファンドコンサル、不動産賃貸、ホテル運営などの事業も行っており、これらが安定的な売上と利益を生み出しています。

これらの安定事業から生み出す営業利益の割合は下記の通りです。

不動産賃貸:約10%
ファンドコンサル:約14%
不動産管理:約4%
ホテル運営:約6%
→合計 約34%の営業利益を生み出す

過去に起きた実際のケースを確認すると、2009-2012年はリーマンショックの影響から不動産取引が大幅に減少しました。直近では2020年のコロナ禍にほぼ全ての業界が大きな影響を受けました。

ですがトーセイはいずれも大幅減益となったものの、赤字転落することはなく、黒字経営を継続できています。

このように安定事業として不動産管理やファンドコンサル、不動産賃貸、ホテル運営を組み入れることで不況時でもしっかりと利益を出せる不動産ポートフォリオを作り上げてきた企業であることが分かります。

https://www.toseicorp.co.jp/docs/Tosei_Long_Mid_Japanese.pdf

トーセイに投資する前に知りたい「5つの懸念」

続いて、トーセイに投資する前に知っておきたい5つの懸念を紹介します。

トーセイに投資する前に知りたい「5つの懸念」
業績連動の株主還元で、減配リスクが高い
株価は高値圏で推移しており、割高感も
不動産再生の割合が高く、景気の影響が大きい
日本の政策金利は上昇傾向で業績に逆風
東京都の人口は2030年まで増加し、その後は減少に

その1:業績連動の株主還元で、減配リスクが高い

トーセイの配当金は稼いだ利益を元に、事前に決められた配当性向から計算されるので、業績が悪化すると減配となります。

その理由は、2020年のコロナ禍の業績悪化時の配当金がまさにそのように支払われているからです。

実際に2019〜2020年に行われた決算発表での配当金の予想と、2020年11月期の実績配当は下記の通りです。

・2019年11月期
2020年11月期は配当性向25.4%水準、1株配当金は47円となる予想

・2020年11月期1Q時点
2020年11月期は配当性向25.4%水準、1株配当金は47円となる予想

・2020年11月期の決算
配当性向25%を元に計算し、1株配当金は19円で着地

2020年11月期のEPS(1株利益)は74円、DPS(1株配当)は19円なので、配当性向は25.6%となります。

コロナ時の減配自体は仕方がないと思います。ここで言いたいことは、トーセイの還元方針は業績連動のため、業績悪化時は減配が避けられないことということです。

その2:株価は高値圏で推移しており、割高感も

トーセイの株価は高値圏で推移しており、個人的には割高感があるように思えます。

それには複数の理由があり、1つ目は203年4月に上値抵抗帯として機能していた1,500円の価格帯を上抜けし、中長期的に見た天井形成のチャートを描いている可能性が高いからです。

2つ目の理由は、株価が1,500円を上抜けして以降は1度も自社株買いが行われていないからです。

トーセイが行ってきた自社株所得の実績をマネックス証券の銘柄スカウターで確認すると下記の通りです。

取得期間 自己株式取得額
2019年02月07日~2019年04月23日 1,000百万円
2020年04月08日~2020年07月07日 500百万円
2021年02月01日~2021年07月06日 500百万円
2022年01月13日~2022年03月25日 500百万円
2022年07月06日~2022年12月30日 500百万円

このように2023年まではコンスタントに自社株買いが行われてきたものの、株価上昇が始まった2023年以降は1度も自社株買いが行われていないことが分かります。

自社株買いには株主還元、PBRやROEの投資指標の向上などがありますが、それ以外にも「自社の株価が安いと評価されている」時に行われるケースも多いです。

つまり、トーセイ自身は「今の株価水準を割安とは考えておらず、だから自社株買いを見送っている」という可能性も考えられます。

他にもいくつか理由が挙げられますが、いずれも抽象的な理由なのでここでは割愛します。

ここまでの話をまとめると、トーセイの株価はチャート形状と自社株買いの推移から割高水準である可能性が高いと私は考えています。

その3:不動産再生の割合が高く、景気の影響が大きい

トーセイの事業ポートフォリオが分散されているとは言え、不動産再生事業の割合が高いため、景気の影響を受け易いビジネスモデルです。

マネックス証券の銘柄スカウターを確認すると、トーセイの売上構成比は下記の通りです。

トーセイの売上構成比(2023年11月期)
・不動産再生:58%
・不動産管理:10%
・ファンド、コンサル:9%
・不動産開発:9%
・不動産賃貸:8%
・ホテル:5%

また、不動産が集中しているという観点では、保有している不動産のほぼ全てが関東エリアにあり、その割合は下記の通りです。

東京23区が約40%、都下が20%、神奈川県が27%、千葉県が4%、埼玉県が3%

つまり、トーセイの業績にとって「東京都で行う不動産再生事業」がカギとなります。

今後も東京は人口が増え、不動産の需要増加や価格上昇が起きる可能性は高いでしょう。ですが、この事業ポートフォリオの偏りが成長につながる一方で、景気後退や自然災害などのマイナス面の影響も大きいことを理解しておきましょう。

その4:日本の政策金利は上昇傾向で業績に逆風

日本の政策金利は上昇傾向にあリマス。このような外部環境は不動産事業を行うトーセイにとって、借入コストの上昇に繋がり、業績の逆風となります。

また、「金利上昇=不動産株にマイナス」という判断から投資家の資金も流入しにくくなり、株価も上昇しにくくなる可能性が考えられます。

このように金利上昇が不動産株にとってマイナスであることは間違いありませんが、トーセイが2024年2月に行った2024年11月期 第2四半期決算説明会の資料には下記の書き込みがありました。

「棚卸資産の保有期間等から考えまして、借入はTIBORベースの借入が大半を占めてございますので、今のこの支柱金利の上昇の影響を受けてございます。」

「急激な金利上昇も今は見込まれていない状況でございますので、賃貸収益を上げていくとか、売買事業にて粗利をしっかり確保していくことで、十分コントロールはできるものと考えてございます。」

簡単に言うと「金利上昇は再生事業や開発事業にとってはマイナスだけど、賃貸収入とか売買の値上げでバランスは取れる」という話です。

その5:東京都の人口は2030年まで増加し、以降は減少に転じる

東京都の人口は2030年まで増加するものの、それ以降は減少に転じるという予想があるため、トーセイの業績にとっても逆風となるでしょう。

人口の減少は不動産需要に直結する要素なので、トーセイにとって大きな問題です。

ですが「人口減少=不動産需要の減少」とも言い切れません。それは現在は核家族化が進んでいることで、人口は減っても必要とされる住まいは逆に増えているからです。

例えば「地方では人口が減り続けることで都心に人が集まり、家族を持たない人が増えることで小規模物件や賃貸の需要が高まり、不動産銘柄の業績成長に繋がる」といったケースも考えられます。

つまり、人口減少は不動産業界にとってマイナスではあるものの、地域や物件、事業の選定をしっかりと行えば2030年以降も業績を十分に伸ばせる可能性があることが分かります。

トーセイの株主優待「3つの注意点」

最後に、トーセイの株主優待の注意点を3つ確認しておきましょう。

トーセイの株主優待「3つの注意点」
有効期限は発行年3/1〜翌年2月末まで
宿泊できるホテルは東京都神奈川県のみ
予約は公式サイトもしくは電話のみ

その1:有効期限は発行年3/1〜翌年2月末まで

トーセイの株主優待で貰えるホテル宿泊券は有効期限が発行年の3/1~翌年2月末なので注意して下さい。

トーセイの11月権利落ちから株主優待券が自宅に届くまでの流れを説明すると下記の通りです。

株主優待の権利落ち:11月末
株主優待の到着:2月中旬〜下旬

この期日は予約日ではなく、利用日となる点も注意しましょう。

その2:宿泊できるホテルは東京都神奈川県のみ

トーセイはホテル事業を東京都と神奈川県のみで展開しており、宿泊できるホテルが一部地域に限られるので注意して下さい。

トーセイのホテル宿泊券が使えるホテルは下記の通りです。

トーセイの株主優待が使えるホテル
トーセイホテル ココネ神田
トーセイホテル ココネ上野
トーセイホテル ココネ浅草蔵前
トーセイホテル ココネ上野御徒町
トーセイホテル ココネ浅草
トーセイホテル ココネ鎌倉
トーセイホテル ココネ築地銀座プレミア

東京に6店舗、神奈川に1店舗とほとんどが東京にあるホテルなので、東京旅行を楽しみたい方向けの株主優待と言えそうです。

その3:予約は公式サイトもしくは電話のみ

トーセイの株主優待で宿泊する時の予約方法は、公式サイトもしくは電話予約のみなので注意して下さい。

例えば、ネットの予約サイトだとポイントなどが付与されてお得ですが、宿泊料金の支払いに株主優待券は使えません。

また、株主優待で貰えるホテル宿泊券を他の割引券との併用はできないので、この点も注意して下さい。

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