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【株主優待】4979 OATアグリオに投資する4つの理由/自社商品とQUOカードが貰える優待株

疑問をもつネコ
配当金と株主優待を貰いつつも、成長企業に投資して株価上昇も狙う銘柄ってないかな?OATアグリオが条件的には近そうだけどポートフォリオに組み入れた方が良い銘柄かな?

4979 OATアグリオの株主優待「2つの特徴」

まず最初にOATアグリオに投資すると貰える株主優待の特徴として、下記の2つを確認しておきましょう。

OATアグリオの株主優待「2つの特徴」
自社グループ商品2,000〜2,500円相当
長期保有でQUOカード1,000〜3,000円相当

その1:自社グループ商品2,000〜2,500円相当

OATアグリオに100株以上投資すると自社グループ商品2,000〜2,500円相当が貰えます。

OATアグリおは農薬や肥料の会社なので、自社商品とは下記の2種類から選べます。

園芸用肥料セット 2,500円相当
フラワーギフト券 2,000円相当

2023年12月に株主優待の拡充が行われるまでは園芸用肥料セットのみで、フラワーギフト券の選択肢はありませんでした。

自宅で植物を育てないけどOATアグリオに投資している人からすると園芸用肥料を貰っても使い道がないので、株主からの要望に応えて新設された株主優待だと思います。

その2:長期保有でQUOカード1,000〜3,000円相当

OATアグリオの株式を継続保有した株主に向けて、QUOカードの株主優待を追加で配っています。

QUOカードの金額は継続保有期間で異なり、下記の通りです。

OATアグリオの長期保有者向けの株主優待
・1年以上:1,000円相当
・3年以上:3,000円相当

このQUOカードはOATアグリオのオリジナルデザインが印刷されているので、こういった点からも株主優待へのこだわりを感じますよね。

4979 OATアグリオに投資する「4つの理由」

次にOATアグリオへ投資を検討している4つの理由を紹介します。

OATアグリオに投資する「つの理由」
・総合利回り5%前後が狙える高利回り銘柄
・配当性向が23%と低く、増配余力が大きい
・海外売上高比率が高く、成長余地が大きい
・自社株買いによる株主還元にも期待できる

本記事の内容は、僕が投資判断を下した理由(記録)であり、投資助言や投資推奨などの意図は一切ありません。そのため、投資判断はご自身で下すようにしてください。

その1:総合利回り5%前後が狙える高利回り銘柄

OATアグリオに投資を検討する1つ目の理由は、総合利回り5%前後が狙える高利回り銘柄だからです。

どの株価水準で投資するかによっても異なるものの、株価2,200円を元に総合利回りを計算すると下記の通りです。

配当利回り(DPS 55円):2.5%
55/2200*100‎ = 2.5

園芸用肥料セット2,500円相当:1.1%
2500/(2200*100)*100‎ = 1.13636

QUOカード 3,000円相当:1.3%
3000/(2200*100)*100‎ = 1.36364

このようにOATアグリオに株価2,200円以下で投資すれば、総合利回り5%前後を狙えることが分かります。

2.5+1.136+1.363‎ = 4.999

また、株主優待の維持コストが低く、改悪される可能性が低いことも安心できるポイントです。そこで試しに「株主優待の維持コストが営業利益比で何%になるのか」を調べたところ、下記の結果となりました。

4979 OATアグリオ
100株・3年継続で自社商品とQUOカードを合計5,500円相当
個人株主数 11,242*5,500‎ = 61,831,000
優待コストは営業利益比(31億円)で約1.9%
0.6/31*100‎ = 1.93548

3003 ヒューリック
300株以上・3年継続でカタログG 6,000円相当
個人株主数 179,636*6,000‎ = 1,077,816,000
優待コストは営業利益比(1461億円)で約0.6%
10/1461*100‎ = 0.68446

8566 リコーリース
3年継続保有でQUOカード 5,000円相当
個人株主数 50,050*5,000‎ = 250,250,000
優待コストは営業利益比(210億円)で約1.2%
2.5/210*100‎ = 1.19048

7840 フランスベッド
5年継続保有で自社商品15,000円相当
個人株主数 33,707*15,000‎ = 505,605,000
優待コストは営業利益比(45億円)で約11%
5/45*100‎ = 11.11111

3097 物語コーポ
食事券 7,000円相当(3,500円相当×年2回)
個人株主数 88,886*7,000‎ = 622,202,000
優待コストは営業利益比(81億円)で約7.4%
6/81*100‎ = 7.40741

3397 トリドール
食事券 年間14,000円相当(200株・1年継続)
個人株主数 154,733*14,000‎ = 2,166,262,000
優待コストは営業利益比(116億円)で約18%
21/116*100‎ = 18.10345

これは単純計算であることに注意が必要です。上記は株主優待の価値を営業利益で割って計算しているだけなので、実際の優待維持コストはもっと安く抑えられている可能性が高いからです。

例えば。7840 フランスベッドは商品の販売価格を元に計算しているため、利益などを抜いた原価はもっと安くなるでしょう。

また、株主優待以外に、配当金や自社株買いを行なっているかによっても株主還元にかかるコストは大きく変わってきます。

これらの話をまとめると、OATアグリオの「園芸用肥料セット 2,500円相当」は販売価格であり、製造原価はもっと安いです。優待維持コストを販売価格で計算しても営業利益比1.9%程度であることから、現状の株主数が続くようなら株主優待の改悪リスクは低いと言えそうですね。

その2:配当性向が23%と低く、増配余力が大きい

OATアグリオに投資を検討する2つ目の理由は、配当性向が23%と低く、増配余力が大きいからです。

稼いだ利益のうち何%を配当金に回しているかを示す配当性向は、2023年12月期で22%と水準としては低めです。

OATアグリオの過去の配当性向も確認しておくと、下記の通りです。

OATアグリオの配当性向
2020年:25.8%
2021年:16.4%
2022年:21.0%
2023年:22.7%

配当性向20%前後は一般的に低いと言われる水準です。また、OATアグリオは成長フェーズであることから今後の業績成長にも期待できます。

そのため、配当性向の引き上げと利益成長の両方の側面から今後の増配に期待しても良いでしょう。

その3:海外売上高比率が高く、成長余地が大きい

OATアグリオに投資を検討する3つ目の理由は、海外売上高比率が高く、成長余地が大きいからです。

OATアグリオの海外売上高比率(2023年12月期)は71%あり、地域別の売上比率は下記の通りです。

その他:46%
日本:28%
アメリカ:15%
ブラジル:9.8%

日本向けの売上高比率は28%と低く、売上の大半が成長期待の大きい海外で稼いでいることが分かります。

OATアグリオは時価総額200億円前後と中小型銘柄であるものの、世界に事業を展開するグローバル企業なので今後の株価上昇に期待できそうです。

また、2024年現在はドル円は円安で推移しており、為替差益による業績の押し上げ効果も期待できそうです。

その4:自社株買いによる株主還元にも期待できる

OATアグリオに投資を検討する4つ目の理由は、自社株買いによる株主還元にも期待できるからです。

OATアグリオは自社株買いによる株主還元も積極的に行っており、直近の実績は下記の通りです。

2015年:7億円
2021年:3億円
2023年:6億円

ですが配当と自社株買いの両方を元に計算した総還元性向(2023年12月期)は46%と、既に一般的な還元水準には達しています。

そして注意すべきは、OATアグリオは2024〜2026年に積極投資フェーズと位置付けており、研究開発費を2021-2023年比で35%も増やすことを発表していることです。

OATアグリオの研究開発費
2021−2023年:5948百万円
2024−2026年:8043百万円

(8043-5948)/5948 = 0.35222
5948*1.35222 = 8,043.00456

OATアグリオは未来の業績成長に向けて2024−2026年は研究開発費の増加を予定しているため、2024−2026年は自社株買いの継続や買い入れ額の拡大が難しいかもしれません。

このように、ここ数年間は自社株買いの実施期待が薄れるものの、成長フェーズにいる中小型株にも関わらず利益が出れば自社株買いを行ってきた過去があることは評価できるポイントです。

つまり、2024−2026年の成長投資フェーズでは研究開発費の増加から株主還元の拡充に期待できないものの、その後の利益を回収フェーズでは株主還元の拡充に期待できそうですね。

4979 OATアグリオに投資する前に知りたい「2つの懸念」

OATアグリオの株主優待が魅力的とは言え、貰える株主優待の価値以上に株価が下落してしまっては全く意味がありません。

そこで本パートでは、OATアグリオに投資する前に知っておきたい2つの懸念を確認しておきましょう。

OATアグリオ「2つの懸念」
業績は為替の影響を大きく受ける
積極的な研究開発投資で利益が減るかも

その1:業績は為替の影響を大きく受ける

先にも紹介した通りで、OATアグリオは売上高の約70%を海外で稼いでいるため、業績は為替変動の影響を大きく受けます。

OATアグリオの業績
円安→押し上げ(↑)
円高→押し下げ(↓)

2020〜2023年の業績を確認すると、OATアグリオの売上高は202億円から289億円へ+87億円(+43%成長)も増えていることが分かります。

(289-202)/202*100 = 43.069307

ですが増えた+87億円のうち、48%分(約41億円)は為替差益で押し上げられたもので、為替を除いた業績成長は52%(約45億円)に限定されます。

87*0.48 = 41.76
87*0.52 = 45.24

2021〜2024年にかけて円安が急激に進んだため、海外売上高比率の高いOATアグリオの業績が大きく押し上げられたことが分かります。

ですが2024年以降は「世界各国の利下げ、日本の利上げ」がほぼ同時進行することで2国間の金利差が縮小し、円高に進む可能性が高いと考えられます。

為替のトレンドが円高に変わることはOATアグリオに業績に逆風なので、投資タイミングを図る際は為替のトレンドも一緒に確認しておきましょう。

※2024年2月13日に発表された「新中期経営計画【2024ー2026年】」より

その2:積極的な研究開発投資で利益が減るかも

2024-2026年の3年間で約80億円の研究開発投資を行うことで利益が減り、株価に影響が出るかもしれません。同じ時期に研究人員を31名増員する予定です。

研究開発費や社員はコストアップに繋がるものの、この成長投資が売上と利益の成長に繋がれば問題ありません。

ですが外部環境の変化による円高トレンドと研究開発投資、人件費の増加など、複数の減益要因が重なることには注意が必要です。

OATアグリオの「新中期経営計画【2024ー2026年】」にも2024年以降を「変革期(未来の売上高500億円達成に向けた準備期間)」と書かれています。

このような先行投資を行うフェーズは、一般的に減益となることが多く、PERの上昇に伴って株価は売られるケースが多いです。

OATアグリオが同様のシナリオになるとは限らないものの、上記が利益の押し下げ要因であることは間違いないので今後の動向を注視したいと考えています。

QUOカードが貰える優待株「2選」

OATアグリオの株主優待は魅力的ですが、ここではQUOカードの株主優待が貰える他の銘柄も確認しておきましょう。

QUOカードが貰える優待株「2選」
・7164 全国保証
・8566 リコーリース

色んな株主優待銘柄をチェックして視野を広げることで投資の判断力も高まります。そこで本パートでは株主優待でQUOカードが貰える3つの銘柄を確認しておきましょう。

その1:7164 全国保証

株主優待でQUOカードが貰える1つ目の銘柄は、7164 全国保証です。

全国保証に100株投資すると継続保有期間に合わせて、下記の金額のQUOカードが貰えます。

全国保証の株主優待
・1年未満:QUOカード 3,000円相当
・1年以上:QUOカード 5,000円相当 または カタログギフト 5,000円相当

全国保証は株主優待の拡充が受けられるまでの期間が1年と短いことと、1年以上継続保有するとカタログギフトも選択できることです。

営業利益率70%を越える収益率の高さからくる連続増配も魅力的で、株主優待と配当金の還元率の高さが魅力的な銘柄です。

その2:8566 リコーリース

株主優待でQUOカードが貰える2つ目の銘柄は、8566 リコーリースです。

リコーリースも継続保有期間に合わせて、下記の金額のQUOカードが貰えます。

リコーリースの株主優待
1年未満:2,000円相当
1年以上:4,000円相当
3年以上:5,000円相当

リコーリースの株主優待の魅力は保有期間が長くなるほどQUOカードの還元額が増えることです。

また、リコーリースは連続増配銘柄としての側面も魅力的で、1996年に上場して以降連続増配を続けています。

リコーリースは長期保有することで配当利回りと優待利回りの上昇が見込めるので、株主優待投資家ならチェックしておきたい銘柄の1つですね。

4979 OATアグリオの株主優待「2つの注意点」

最後にOATアグリオに投資すると貰える株主優待の注意点を確認しておきましょう。

OATアグリオの株主優待「2つの注意点」
フラワーギフトの申し込み期限が短い
QUOカードだけの総合利回りはそんなに高くない

その1:フラワーギフトの申し込み期限が短い

OATアグリオの株主優待で選択できるフラワーギフトの申し込み期限は約1カ月間と短いので注意してください。

フラワーギフトの申し込み期限のおおまかなスケジュールを確認すると、下記の通りです。

株主優待の権利落ち→12月末
株主優待の申し込み書類の到着→2月末
フラワーギフトの申し込み期限→3月末

フラワーギフトの申し込みを忘れた場合、自社グループ商品の園芸用肥料セットが郵送で届きます。

自宅に園芸がない人からすると使い道に困ると思うので、指定QRコードからフラワーギフトの申し込み手続きを早めに済ませておきましょう。

ちなみにフラワーギフトの種類を選べません。

その2:QUOカードだけの総合利回りはそんなに高くない

OATアグリオは情報サイトなどで優待利回りが高い銘柄と紹介されているものの、QUOカードだけで計算する優待利回りはそれほど高くありません。

株主優待①・自社商品
家庭園芸用肥料:2,500円相当
フラワーギフト券:2,000円相当
(優待利回り)1~1.25%ほど

株主優待②・QUOカード
1年以上保有:1,000円相当
3年以上保有:3,000円相当
(優待利回り)0.5~1.5%ほど

長期保有した時の最大利回りは2.75%(株価2,000円で取得した場合)まで上昇するものの、その半分は園芸用肥料やフラワーギフトなので、これらを必要とするかしないかが判断の分かれ目になりそうです。

個人的には、自宅に園芸する場所がないこともあり、QUOカードやカタログギフト、食事券などを重宝しています。

そのためOATアグリオの優待利回りはQUOカードのみで、割り引いて判断したいと考えています。

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